数年前、世界的なパイロット不足ということがよく言われていました。
しかし、最近ではJALの大幅な路線縮小のためパイロットの早期退職が行われており
逆にパイロットが余っているのかもしれません。
日本にはパイロットはどのくらいいて、機長、副操縦士、訓練生は年齢によってどのような分布があるのか、ということを調べてみました。
このグラフは国土交通省が発表したもので、平成19年1月のものです。
大きな分布としては、団塊の世代と団塊ジュニアが大きな山を作っており、
団塊の世代はほぼ機長で各年齢250人程度、60歳以降は退職により大幅に人数が減っています。
団塊ジュニア世代は団塊世代よりも人数が多く各年齢300人程度で、30代後半で副操縦士から機長へかなりの割合で昇格しています。
合計数では、機長3700人、副操縦士2300人、訓練生700人、総合計6700人となっています。
単純に、パイロット全体の人数を維持しようとすると、団塊の世代の山と同じだけの山を20歳代で作っていかなくてはなりません。それに加え、機材の小型化による多頻度運航と羽田拡張による供給量の伸びを考慮すると、数年後には大幅にパイロットが不足する可能性があります。
JALで700人のパイロットが早期退職することになるとすると、この700人はほとんどの方が機長ですので、3700人のうちの700人、つまり機長全体の約20%の方が退職することになります。旅客機は副操縦士が何人いても機長がいないと運航ができないので、機長の20%が減るということは現状のままの勤務体制だと旅客便数が20%減るということになります。今後需要が回復した場合機長要員が不足しますので、早期退職者の再雇用ということになるのではないでしょうか。
日本では他に、自衛隊、海上保安庁などの官庁や、チャーター、遊覧飛行、写真撮影などを行う使用事業会社などにパイロットが在籍しています。