台湾機墜落の原因はパイロットの操作ミスか

ATR72

CC by waynechemi flicker

先日の台湾のトランスアジア機の墜落に関して、ブラックボックスが回収され一部の機材の動作状況が明らかになりました。それによるとこの事故はパイロットが不適切な操作を行なったことによって引き起こされた事故のようです。

全エンジン停止後の事故機の動きからわかるパイロットの操縦状況は前回の記事をご覧ください。
台湾機は偶然川に墜落したという3つの根拠

フライトデータレコーダーが示すもの

事故機のフライトデータ

事故機のフライトデータ

この図は回収されたブラックボックスから得られたもので、事故機のエンジン等の動作状況を表すものです。横軸は時間軸となっており、時間ごとに様々な機器がどう動いたかが表示されています。例えば、一番上の青い線のMain Gearとあるのはギアの上げ下げで、一番左のほうで一度動いていることがわかります。つまり離陸ですね。これが2時52分0秒くらいです。

故障したエンジンの動き

さて、いくつか線がある中で青い点線に注目していただくと、大きく下がり出した時間帯があるのがわかると思います。2時52分35秒くらいです。これがNo.2エンジンの停止で、この事故のきっかけになったものです。

上から2番目のグラフにMaster Warning ENG Flame Outとあるのですが、これはエンジン停止の警報で、同じタイミングで青い点線が動いていることがわかります。つまりこれはNo.2エンジン異常の警報が作動したということです。

正常なほうのエンジンの動き

同じように今度は緑の線に注目して全体を見てください。横軸全体の真ん中ほどに緑の線がいくつか同時に下がっていることがわかると思います。時間にして2時53分5秒くらいです。ここではFuel Flow(燃料供給)が大きく減っているため、通常通りのパワーを下げる動作がされたのだと思います。

そこからすぐあとの53分25秒ほどに一段と緑の線が動いている部分があり、この時間の上から3番目のグラフにはCLA fuel shut offとあり、緑の線が動いていることから燃料供給の元が閉じられたことがわかります。これらの緑の線が動いている間、上から2番目のMaster Warningが変化していません。つまり機械的な異常ではなかったということです。

フライトデータの解説

フライトデータの解説

以上のことをまとめますと、
・No2エンジンの故障
・No1エンジンのパワーが落とされる
・No1エンジンの燃料供給が止められる
といったようになり、明らかに故障したエンジンを停止させようとして逆の正常なエンジンを止めてしまったということがわかります。


過去にも同じような事例が

実は前回の記事を書いているときから、この事故はパイロットのミスによって引き起こされたのではないかと考えていました。というのも、同じように1つのエンジン故障に対応しようとして逆のエンジンを停止させてしまった事例が過去にもあったからです。

前回の記事に書きましたように、通常2つのエンジンが同時に止まるようなことはありません。現代の航空事故の原因のほとんどは人間が犯した人為的ミスによるものです。ですので、不運な二つの故障が同時に起きるよりは、1つの故障をきっかけとした人為的な事故のほうが可能性は高いのです。

ここで言う人為的ミスとは単なる勘違いやポカミスではなく、いくつかの故障や出来事が不運にも重なった上でパイロット等が間違った判断をしてしまうという事例のことです。事故の裏には30の小さい事故が…というハインリッヒの法則はみなさんも聞いたことがあると思います。

例えば、天ぷら油を火にかけていて、郵便が届いたので受け取るだけと思って出たら近所のおばさんがたまたま通りかかって話しをしているうちに火のことを忘れてしまう、というようなヒヤリハット事例は誰しも経験があると思います。しっかりした人でも3つ4つと違うことに気をとられると何かを見落とすことは当たり前で、こういったことから起こる事故をいかになくすかが最近の航空事故対策の主眼となっています。

台湾機は偶然川に墜落したという3つの根拠




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